母性を見た話
私が人の親になったら、、、私はどう接していきたいか
そう考えさせられた物語だった。
母親、子供の両視点から話は進んでいく。同じ時間軸を過ごす二人の感情、
物事の捉え方の違いを見ていて自分の母親との関係を改めて思い返す時間になった。
母親離れできず、子供より母を優先する場面、そんな二人の関係性を子供ながらに
感じ取り空気を読みようになる娘。そのシーンを見ていて思ったのは人格形成に
影響を及ぼすのは過ごしてきた環境が大きいということ。
もし自身の性格でコンプレックスがあろうとものなら、それはその人自身の問題
だけで捉えるだけではなく家族との関係性も考えなくてはならない。
物語の終盤、娘は自殺を図った。母親は使命を全うするかのように仕事に励み
父親は不倫をしていた。どちらも娘のことなど考えずに。
同じ空間で過ごし同じご飯を食べていても、意識が皆外に向いていたら家族だと
しても悲しすぎる。家族の仲がいいという家庭がどれくらいいるのかは分からないが
私の家族は仲がいいとは言えない。この作品のように家族は仲がよいものと定義
されたものではなく、フィクションかもしれないけれどそうではない家族もある。
そう言われているようで少し安堵しつつも、明るい家庭に憧れがある私が家庭をもった
らどうなるのか想像するだけで少し不安が募る。
”愛能う限り” このセリフが作品の中心になってくると思うが、できる限りの愛を
注ぐ為には言葉や態度、行動で示すことが私なりの解釈だとするならまだまだ家族を
つくるのは遠い未来のような気がする。もし本当にそのようなときが来たらまたもう一
度この作品を見直したい。